沖縄の地価上昇率、4年ぶりに首位から陥落 全用途平均でプラス1.5%


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沖縄上空

 沖縄県は21日、今年7月1日時点の県内地価調査結果を発表した。林地を除く全用途の平均変動率は前年比プラス1.5%で、2014年から8年連続で上昇した。ただ、新型コロナウイルス感染症の影響による需要の低迷や引き合いの弱まりによって、上昇率は20年調査に比べ3.2ポイント縮小した。沖縄県は18年から3年連続で全国最大の上昇率を記録していたが、21年調査は福岡県のプラス1.9%に次ぐ2番手となった。

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 用途別では、住宅地の上昇率が6年連続で全国一のプラス1.6%、商業地の上昇率が全国5位のプラス0.7%で、ともに上昇を維持したものの、前年の上昇率と比べた縮小幅は全国で最も大きかった。

 一方、工業地は7年連続で全国一のプラス12.1%で、前年調査からさらに0.5ポイント拡大した。電子商取引(EC)需要の拡大や県内で確保できる工業用地が少ないことなどから、高い上昇率を維持している。

 地価は公共事業用地の取得価格の算定や、相続税、固定資産税評価の目安に用いられる。県内の基準地数は、林地を含め前年と同数の284地点。

 上昇率が最も高かった地点は、住宅地は宮古島市城辺保良のプラス22.9%、商業地は宮古島市平良西里根間のプラス6.1%、工業地は豊見城市豊崎のプラス28.9%だった。住宅地と工業地は全国一の上昇率だった。

 最高価格地点は、住宅地が5年連続で那覇市天久2丁目の1平方メートル当たり33万円(横ばい)で、商業地が31年連続で那覇市松山1の1の4の1平方メートル当たり125万円(マイナス1.6%)だった。

 県内の地価を用途別に見ると、住宅地はプラス1.6%で前年のプラス4.0%から2.4ポイント縮小した。新型コロナの影響を受け、観光や飲食業の従事者を中心に世帯収入が減少し、住宅取得意欲が弱まったと見られる。

 商業地はプラス0.7%の微増で、前年調査のプラス6.2%と比べて5.5ポイント縮小した。土産店など観光関連の店舗や飲食店の売り上げが落ち込み、店舗家賃の一部免除や減額、空き室の増加などが生じ、引き合いが弱くなった。