辺野古「全力で推進を」 菅首相、次期政権に継承


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菅義偉首相=2021年5月

 【東京】退任を控えた菅義偉首相は、米軍普天間飛行場移設に伴う名護市辺野古の新基地建設について「唯一の解決策であり、着実に工事を進めていくことこそが、普天間の危険性を除去することにつながる」と従来の見解を繰り返した。次期政権に対して「辺野古移設に全力で取り組むとともに、地元の理解を得る努力を続けてもらいたい」と強調した。1日までに本紙の取材に文書で回答した。

 「沖縄に寄り添う」としながらも工事を強行してきたことに「さまざまな機会を捉えて、沖縄県の考えをうかがいながら、2013年に当時の県知事から埋め立て承認を頂き、進めてきた」と反論した。首相就任以来、菅氏が玉城デニー知事と会談したのは一度だけだ。県が求める、日米両政府に県を加えた3者での枠組み「SACWO(サコワ)」の設置も実現していない。

 菅氏は官房長官時代からの沖縄政策について「沖縄のために全力を尽くし、那覇空港第二滑走路の整備や北部訓練場の返還、市道宜野湾11号の全線開通などを実現してきた」と述べた。

 (問山栄恵)