辺野古新基地建設の埋め立てに、沖縄戦の激戦地となった沖縄本島南部の土砂を採取して使用する国の計画を巡り、5日、西銘恒三郎沖縄担当相は「一般論として常識としてどうなのかという思いがある」と述べた。この発言に関し、遺骨収集ボランティアや地元住民からは「もっとはっきり言わないと駄目だ」という声が上がる一方で、業者からは、法に基づいた判断を求める声が上がった。
沖縄戦遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松代表は「ウチナーンチュとして、もっとはっきりと(計画を)『認めない』と言ってほしかった。沖縄担当相は、戦没者遺骨の救済と遺族の心情に寄り添った対応ができる立場だ。そういう立場になったのだから、防衛省に対し、計画の中止を要請してほしい」と求めた。
糸満市の60代男性は「大臣も逃げたね。大臣だったらはっきり言わないと駄目だ。沖縄の民意、アイデンティティーが分かる沖縄担当相として、この問題にどう取り組むのかが大事な役割だ」と指摘した。
さらに「個人として、そういう言葉しか言えないのなら前に進まない」と話した。
糸満市米須の沖縄戦跡国定公園内にある鉱山で土砂採取を計画している、沖縄土石工業の永山盛也代表は本紙の取材に「採取する土砂に遺骨が混じることは絶対にない。政治家はそのことを正しく理解してほしい」と語った。
さらに、市民団体を中心にイデオロギーで土砂採取計画を止めようとする動きがあるとして「政治家はポピュリズムに陥ることなく、法律にのっとって判断を下すべきだ」と述べた。