今回のお悩み
これまで採用活動をやったことがありません。
周囲に聞くと「良い人はなかなか来ないよ!」「最近の人は平気ですぐ辞めるよ!」などと言われ、とても不安です。
採用って一体何から始めればいいでしょうか?
今回の回答者は…
採用のことならお任せ
ファンシップ代表取締役で採用コンサルタントの
小宮仁至さんです。
中小零細企業の採用活動は、大企業のように常に行われている業務ではありません。10人以下の企業にとって採用は10年ぶり、ということも珍しくはありません。そのような企業では人事採用の担当者がいるはずもないし、社内に経験者がいないので何から手をつけたらいいのか、皆目見当もつかない!
そのようにお悩みの事業者や経営者は少なくありません。
また、ネット上の情報や書籍を参考にしようとしてみても、大半は大企業向けに書かれたものばかり。沖縄という一地方の、しかも10人以下の小規模事業者の現実を踏まえた情報はそうは転がっていません。
このような場合、多くの事業者がやってしまうこと第1位がいきなり求人メディアに電話して、求人広告を出す、という行為です。
「え?それの何か問題でも?求人広告は出しちゃいけないの?」
と思いましたか?いえいえ、そうじゃありません。
ただ、求人広告を出す前に、やってほしいことが山のようにあるのです!今回は、その中で大事なことを3つお伝えしますね。
■採用は恋愛に例える
猫の手も借りたいほどに困っている場合、「誰でもいいから来てほしい!」という気持ちで求人広告を出してしまうことはよくあります。
私は採用を恋愛にたとえて、分かりやすくお伝えするようにしています。
もしあなたの友人が、恋人がほしくて「誰でもいいから付き合って!」と言っていたら…どうしますか?忠告してあげますよね?
「そんなこと言っているから恋人ができないんだよ」と。
採用は初めてでも、恋愛感情を持った経験がある人は多いはず。採用活動で困ったら常に恋愛に置き換えて考えてみる方法はおすすめです。
■応募してきてほしい人は固有名詞で考える
マーケティング的に「ターゲットを明確に決めた方がよい」とはよく言われます。これは採用においても同様なのですが、慣れないマーケティング用語で考えなくてもOK。人間を「ターゲット」と呼んでしまうため「20代で未婚の同業種の経験者」となどとイメージしにくい人物像を描いてしまい、採用活動が複雑になるのです。
それより「社内にいるヒガさんの若い頃」とか「取引先のオオシロさんみたいな人」と、身近な人をそのまま応募してきてほしい人と想定してみましょう。
そうすれば、ヒガさんはなぜうちの会社で働いているのか?オオシロさんはどんな価値観で仕事を選んでいるのか?などが自然と見えてきて、やるべきことが分かってきます。
■求人広告は「相手」を決めてから
さて、応募してきてほしい人が明確になったら、その人が地元の求人誌を見ているのか?ハローワークに行っているのか?スマホで全国メディアをみているのか?などを想像してみましょう。私のような専門家に相談しなくても、ここまでやれれば迷うことはありません。
また応募してきてほしい人が決まっていると、求人メディアの担当者やハローワーク職員もアドバイスがしやすくなります。
ここが決まっていない状態で求人広告を出すので、応募がないのです。応募がない求人広告は掲載料を払う事業者も、求人メディアの担当の方も、それを見る求職者の方も、誰も得をしません。
今回は、採用活動をこれまでやってこなかった事業者さんのお悩みにお答えしました。
スペースの都合上、全てお答えできていませんが、実は採用活動を始める前にやってほしいことはこの3つだけではありません。でもとにかく困ったら難しく考えず恋愛だったらどうするかな?と置き換えて考えてみてください!相思相愛で、長く付き合える人材ときっと出会えるはずです!
◇執筆者プロフィル
小宮 仁至(こみや ひとし) ファンシップ株式会社 代表取締役
広告会社やWEBマーケティング会社を経て、2015年にファンシップ(株)を創業。2016年より「レンアイ型Ⓡ採用メソッド」を提唱し、企業へのセミナーや求職者への採用支援を実施している。
1979年生まれ 熊本県出身。うちな〜婿で2児の父。