西自動車商会が共栄自動車を吸収合併 定額制マイカーリースの販売強化


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合併によりさらなる事業拡大を誓う津嘉山修社長(左)と與那覇博史氏=6日、糸満市潮平の西自動車商会糸満店

 カーリース事業などを展開する西自動車商会(沖縄市、津嘉山修社長)は6日、自動車の販売・整備を行う共栄自動車(糸満市、與那覇博史社長)を1日付で吸収合併したと発表した。西自動車商会は、本島南部地区で主力の定額制マイカーリース「スーパー乗るだけセット」の販売を強化するほか、既存の豊見城店と共栄自動車が持つ整備工場などの機能を連携することで、顧客のメンテナンス利便性の向上を目指し、経営効率化を図る。

 6月28日付で調印し、共栄自動車の全株式を西自動車商会が取得した。合併により共栄自動車の糸満店は西自動車商会糸満店に、阿波根店は南山店に名称を変更した。従業員全17人は継続雇用で、共栄自動車の與那覇氏は南部地区戦略アドバイザーに就任した。初年度は40億円の売り上げを目指す。

 県内では自動車整備士の不足が深刻で、西自動車商会でも人材確保が課題だった。特に豊見城店周辺にはメンテナンス工場がなかったため、顧客は車検の際に沖縄市の店舗に来てもらうなど負担がかかっていたという。約10人の整備士が在籍する共栄自動車と合併することで、南部地区での事業強化に加え、顧客満足度にもつなげたい考え。

 6日に会見した津嘉山社長は「事業者、顧客、従業員にとって良い態勢が整い、相乗効果が期待できる」とし、将来的には関東の1都3県に「スーパー乗るだけセット」の拠点を構えるなど、全国規模で事業拡大を図る意向を示した。

 一方、與那覇氏は2019年10月の消費増税に加え新型コロナウイルスの影響で新車販売が低迷するなど、近年は経営が不安定だったと振り返った。その上で「車業界で生き抜く上で『スーパー乗るだけセット』の仕組みは強いと確信した。両社の良い部分を生かし、糸満を中心に南部地区での営業を強化したい」と述べた。