辺野古サンゴ移植で防衛局、県の質問状に回答せず 


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水中ボンドでサンゴを固定する作業員=8月10日、名護市の辺野古沖

 辺野古新基地建設に伴うサンゴ移植を巡って県が沖縄防衛局に環境の観点から助言する「環境監視等委員会」に送付した公開質問状について、防衛局は5日、県に「同委員会は、県知事からの公開質問に回答する立場にない」と回答しない意向を示した。

 県はサンゴの生残率向上のため、高水温期や台風の時期を避けることなどを条件に防衛局に移植を許可したが、防衛局は7月29日に移植に着手した。公開質問状で県は、高水温期の移植でのサンゴへの影響の認識などを問い合わせていた。

 玉城デニー知事は6日、防衛局の方針を受けてコメントを出し「国民・県民に対する説明責任を全く果たしていないだけでなく、サンゴ生残率を高める姿勢も全く見られず、大変残念」と批判した。

 県は防衛局への移植許可を撤回したが、防衛省は農相に県の判断の妥当性を問う審査請求を申し出ている。審査請求に伴う執行停止で、県の許可撤回は効力が停止され、現在は移植ができる状態になっている。今回の県の質問について、防衛局自体も審査請求を理由に回答しない意向を示している。

 県は日本サンゴ礁学会サンゴ礁保全学術委員会にも移植時期の妥当性などを問い合わせている。