沖縄科学技術大学院大学(OIST)とフィリピンのウェスタン・フィリピン大学などの共同研究チームは7日までに、沖縄とフィリピンで合計3種の新種ハゼを発見し、そのうち沖縄で発見した2種に「キジムナーボウズハゼ」「ブナガヤボウズハゼ」(和名)と名付けたと発表した。3種には特有の赤い模様があり、沖縄の精霊キジムナーやブナガヤを連想させることから名前が付けられた。研究論文は国際学術誌システマティックスアンドバイオダイバーシティに掲載された。
名付け親は、研究チームを率いたOISTの海洋生態進化発生生物学ユニットの研究者、前田健博士。
3種は既に発見されているヨロイボウズハゼに似ているが、それぞれ別種。うち1種はフィリピン西部のパラワン島の川で発見され、「パラワンの赤いヨロイボウズハゼ」を意味する「レンチぺス・パラワニルフス」(学名)と付けられた。オスは求愛行動の際に各種固有の色や模様をメスにアピールし、それが系統の維持に重要な役割を果たしていると考えられる。
新種発見は、2005年に当時琉球大の大学院生だった前田博士が、沖縄本島の北部の川で見慣れないハゼを見掛けたことがきっかけ。14年かけて十分な標本を採集し、DNA解析の結果、そのうち三つが新種であると確認した。
前田博士は「キジムナーボウズハゼとブナガヤボウズハゼは神出鬼没で、沖縄ではまれにしか出会えない。彼らの本拠地が東南アジアにあり、そこから流されてきた仔魚が沖縄に入ってきているのだろうと考えている」と説明した。
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