【本部】本部町の就労継続支援B型事業所「CORTEE」(上間勝之代表)が県内の就労支援施設では珍しい革製品の製作・販売に取り組んでいる。キーケースやスマートフォンケース、財布などを作っており、品質とデザインにこだわる。リピーターも多く「使ってみて気に入ったので知人にもプレゼントしたい」と贈答用として購入する人もいるという。
本部町、名護市、今帰仁村から13人が通所し、工房でなめし皮の加工をしたり、手縫いをしたりして丁寧に一つ一つを手作業で仕上げている。
CORTEEは今年1月、本部町崎本部に開所。代表の上間さんは「食品関係や清掃業などを行う事業所は多いが、県内でも革製品を取り扱う事業所がほとんどなかった」と独自色を出そうと立ち上げに奔走したことを振り返る。
福祉関係の相談員をしていた上間さんが3年前に革製品を製作していたという相談者に出会い、製作方法などについて学んだ。実際に自分でも半年ほど修行し、将来的に利用者が収入を得られる仕組みを作ろうとCORTEEを設立した。
作業しやすいように「加工」「穴開け」「縫い合わせ」など作業を細分化し、それぞれの利用者の特性などを見極めて作品を仕上げる。温かい雰囲気を感じさせる木製の作業台が並ぶ工房で利用者は慣れた様子で作業するが、上間さんは「始めの頃は失敗の連続だった。だが、集中力が高く、コツコツと作業できる人が多いので高品質の製品を作るところまでこぎ着けることができた」と話す。
革製品を担当する玉村健さん(40)は「1枚の皮が商品になっていくことにやりがいを感じる」と充実した表情を見せる。ヤンバルクイナを刺しゅうした小物を作る北花子さん(26)は「初めて完成させた時はうれしかった」、布製バッグを製作する宮城こずえさんは「あまり手芸は得意ではなかったが、今は楽しい」と話した。
店頭販売の他、インスタグラム(オンラインショップ)でも商品を販売している。連絡先はCORTEE(電話)0980(43)0709。(松堂秀樹)