沖縄・糸満の工事現場で発見のガマから手りゅう弾や薬瓶…県と市が内部調査


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現在のガマへの入り口。工事中にガマの天井が抜け、ガマが見つかった

 【糸満】糸満市真壁の下水道工事現場でガマが見つかった件で15日、市や県戦没者遺骨収集情報センターなどはガマに入って調査した。中からは日本軍の小銃弾3発と手りゅう弾1発が不発の状態で見つかり、自衛隊員が回収した。ガマ内部では、缶切りで開けた形跡のある缶詰や空の薬瓶、一升瓶、軍靴も片方ずつあった。市は今後引き続き調査をするか、検討する。

 市職員などによると、ガマ内部の高さは約1メートル20センチ、幅は5メートル、奥行きは20メートル以上あった。中はL字型に曲がり、下方にはさらに2層ほどガマが広がっていたという。

 中に進むと、鍾乳石を割った形跡があり、マカイ(おわん)や水がめの破片などが散らばっていたという。壁にはろうそくなどをともした際に付着したとみられる、すすの跡もあった。

 約15年前からボランティアで遺骨を収集する男性(67)は現場を訪れ「マカイがたくさんあった。おそらく相当(の人が)避難していたはず」と話した。小さな骨もあったが、人骨かは分かっていない。

天井が低く、しゃがんだ姿勢でないと奥へ進めない=15日、糸満市真壁(糸満市教育委員会)
ガマで発見された安全ピンが付いたままの手りゅう弾1発(左)と小銃弾3発(右)