バス4社が19年度に10路線減便 運転手確保厳しく


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 公共バスの運転手不足により県内主要バス4社(沖縄、琉球、那覇、東陽)は2019年度に計10路線を減便したことが分かった。県は19年度途中に緊急で大型2種免許取得を支援する「路線バス運転手確保事業」を実施したが、19、20年度で補助対象者は計5人にとどまった。県交通政策課の金城康司課長は運転手確保が進まない理由として、少子化による労働力不足や賃金水準の問題、貸し切りバスに比べて乗客の接客が求められることなどを挙げた。

 13日の県議会決算特別委員会の総務企画委員会で、てぃーだ平和ネットの山里将雄氏、共産の渡久地修氏と西銘純恵氏への答弁。

 県によると、運転手確保事業は19年度は予算額1116万円のうち、決算額は597万円(執行率53・4%)、20年度は1466万円のうち執行したのは503万円(同34・3%)にとどまった。バス会社は新型コロナ感染拡大に伴う行動制限で乗客が減ったため、県は地方創生臨時交付金を活用し支援金を支給した。

 また、新型コロナの緊急事態宣言が長引いたことで、協力金の原資となる臨時交付金の配分と県の支出のタイミングにズレが生じ、県が金融機関から一時借り入れを繰り返している件で、9月~10月にかけても一時借り入れが発生したことも明らかになった。県によると、この期間に最大239億円の一時借入金が発生した。10月に一時借入金が発生するのは02年度以来、19年ぶり。10月12日現在の県の資金残高はマイナス8900万円。国仲昌二氏(立憲おきなわ)への答弁。