「第32軍司令部壕の保存・公開を求める会」は30日、那覇市泉崎の琉球新報ホールで「第1回シンポジウム なぜ第32軍司令部壕の保存・公開を求めるのか」を開く。15日、県庁記者クラブで会見した同会の瀬名波栄喜会長(92)らは、県民への周知や機運を高め、県の保存・公開の検討作業を後押ししたいとの考えを示した。
瀬名波氏は96年、県の「第32軍司令部壕保存・公開検討委員会」の委員長として壕の公開を決めた。「あれから25年たつが、ほぼ停滞状態だ。県は、アクションを取る時期に来ている。使わなければ壕は劣化する」と危機感を示した。
県知事公室長も歴任した同会副会長の高山朝光さん(86)は「首里城の復元と同時並行で、32軍壕の整備を進めてほしい。県は具体的な計画やスケジュールを立て、実行してほしいし、県をバックアップしていきたい」と述べた。
同会副会長の垣花豊順さん(88)は「亡くなった人々の声なき声を聴くことが大事だ」と強調した。
シンポジウムは午後1時半~4時半まで、オンライン配信もある。パネリストは石原昌家沖縄国際大名誉教授、牛島満第32軍司令官の孫の牛島貞満氏、平良次子南風原文化センター館長、高山朝光氏、前沖縄考古学会会長の當眞嗣一氏、コーディネーターは琉球新報社客員編集委員の藤原健氏。
午後0時半開場。午後1時~1時半は会場限定で、お笑い芸人の小波津正光さん(まーちゃん)のオープニングトークがある。入場料は千円。問い合わせは同会(電話)080(6492)6594。