白い砂、青い海。沖縄の海辺を表現する際によく使われる言葉です。草一つ生えていない風景を想像するかもしれません。
実際はどうでしょう。海岸は塩水や強い日差しにさらされ、植物には非常に厳しい環境ですが、日本のように雨が多いと砂浜にも真水が供給されるため、厳しい環境を巧みに生きる植物が生息します。
潮に強いロウのようなクチクラ層が発達したテカテカの葉を持ったり、強い日差しに水分を取られないよう葉や花だけを砂の上に出し、茎などは砂に埋もれさせたりするなど、海浜特有の環境に適応しています。
これらは海浜植物と呼ばれ、写真の植物は葉の形が軍配に似ていることからグンバイヒルガオと名付けられています。南方の砂浜海岸の代表的な植物の一つで、白い砂浜を緑と薄紫の花で彩り、沖縄の海辺の原風景を形づくっています。
(北谷町教育委員会学芸員 藤彰矩)