地域

雨宿りのベンチで通い合う手紙…15歳「ありがとう」65歳「感動」 地域の助けで再会

感謝の言葉をつづった手紙を張り付けた宮城南美桜さん(右)とベンチと雨よけを設置した仲村宗夫さん=21日、名護市大西

 【名護】「このベンチのおかげで雨にぬれなくて済みました!」。一枚の感謝の手紙が名護市の大西区で反響を呼んでいる。書いたのは名護高校1年の宮城南美桜(なみか)さん(15)。9月27日の下校時、雨よけのあるベンチに座っていたところ、設置した仲村宗夫さん(65)に出会った。「おじさん、ここ座っていいの」と尋ねた宮城さんに対し、仲村さんは「いいよ。あんたたち地域の人がぬれないように作ったんだのに」と短い言葉を交わした。名前は互いに知らないまま別れた。

 車で迎えに来た母の美智子さん(46)にベンチと“おじさん”のことを話すと、「手紙書いた方がいいんじゃない」と提案された。帰宅後、すぐにペンを取って「これを作ってくれたおじさんへ」と題した手紙を書いた。翌日、「地域の人のために作ってくれてありがとうございました! 感謝しています」と締めくくられた手紙が貼られているのに気づいた近所の人が仲村さんに知らせた。

 「5年前に大雨でずぶぬれになって帰宅する高校生を見掛けて作ったベンチだったが、まさかこんな手紙をもらえるとは」。心を打たれた仲村さんは「純粋な感謝の言葉におじさんは感動しています」と返事を書き、並べた。


「地域の人のために(ベンチを)作ってくれてありがとうございました!」と感謝の気持ちを込めて張り付けた宮城南美桜さんの直筆の手紙(右)と、「純粋な感謝の言葉に感動しています」と返事を張り付けた仲村宗夫さんの手紙

 ベンチと手紙を巡る2人のやりとりは話題になり、大西区の村瀬善一郎区長らを介して互いを知ることになった。宮城さんの父親の伸さん(60)は仲村さんの後輩だった。祖母の孝子さん(86)とも散歩ですれ違うたびにあいさつする仲だった。

 21日、野球部のマネジャーを務める宮城さんは下校途中にベンチに立ち寄り、仲村さんと再会を果たした。

 「こんなに喜んでもらえるとは思わんかった。友達同士ではラインなどでやりとりをするけど、直筆の手紙もいいかも」と満面の笑みを見せた。

 仲村さんは一緒に来た母の美智子さんに「こんなに素直で心のきれいな子を育ててくれてありがとう」と声を掛けた後、宮城さんに「地域を明るくする手紙だった。ありがとう」と改めて感謝を伝えた。

 美智子さんは「みんな支え合って生きるんだから、感謝を忘れないでと幼い頃から伝えてきた。さっと手紙を書いたのでびっくりした」と目を細めた。

(松堂秀樹)



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