ひめゆり学徒隊の足跡、自転車で巡る 沖大生が動画に 31日の沖大祭で配信


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ひめゆり学徒隊の足跡をたどり糸満市のひめゆり資料館を訪ねた学生ら=8月(沖縄大提供)

 沖縄大学の学生3人が、本島南部のサイクリング風景の映像を通して、ひめゆり学徒隊の足跡をたどり、沖縄戦を考えるきっかけにつなげる動画を29日までに作成した。31日にオンラインで開催される「第62回沖大祭」に関連した取り組みの一つ。

 動画を作成したのは、福祉文化学科4年の橋口風伍さん(22)、経法商学科4年の曽根一心さん(22)、こども文化学科3年の友寄英玲さん(21)。3人は「沖縄戦に関心の低い人たちにアプローチするためには、沖縄のきれいな景色をきっかけにするなど、多様な入り口をつくることが効果的ではないか」と考えた。ひめゆり学徒が通った沖縄師範学校女子部の付属小学校として開校した歴史のある那覇市の大道小など、関係のある場所を自転車で回り、景色の映像にのせて学徒隊の足跡を紹介している。途中、南風原町の飯上げの道や糸満市の平和の礎、ひめゆり資料館などを見学した。

 別日には南風原町の南風原文化センターに学芸員を訪ねて、沖縄戦について質問し、体験者が減っていく中での平和教育の在り方などについて意見を聞いた。

 今回の企画について学芸員の保久盛陽さんは「学びへとつなげるための一つの方法として、サイクリングという手段は面白いと感じた。ここからどう理解を深めていくのかが肝心だ」と評価した。

 橋口さんは「体験者から直接話を聞く機会が減っていく中で、能動的な学びの重要性が増す。多くの人が沖縄戦を考えるきっかけになるよう、入り口の一つになればうれしい」と話した。

動画は31日、オンライン開催の「第62回沖大祭」で配信される。https://www.youtube.com/channel/UChAisF5mQGWtDPCU9vckjrg視聴できる。