サンゴ学会の意見提出 県、辺野古巡り農相に


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
「移設」のためにかごに詰められたサンゴ=9月3日、名護市の大浦湾

 名護市辺野古の新基地建設を巡り、沖縄防衛局へのサンゴ移植許可を県が撤回した妥当性を問う農相の審査請求で、県は5日までに水産庁の審理員に日本サンゴ礁学会サンゴ礁保全学術委員会への意見照会結果を追加証拠として提出した。同会の意見照会は「高水温期は白化現象や台風で移植サンゴ群体の生残率を低下させる恐れがあり、この時期の移植は避けるべき」と指摘している。

 同委員会は県の意見照会に対し、10月14日付で回答。県は今月4日付で、審理員に県の照会文と同委員会の回答文を提出した。県は追加証拠提出の通知文で、同委員会の回答について「処分庁(県)が主張してきたことを裏付けるもの」とし、改めて県の許可撤回の正当性を主張した。

 沖縄防衛局は7月29日にサンゴの移植作業に着手。県は、サンゴの生残率低下を懸念し、作業中止を求めたが応じなかったため許可を撤回した。防衛局は農相に審査請求と同時に、県の許可撤回の執行停止を申し立てた。農相は執行停止を認め、現在はサンゴ移植ができる状態になっている。