沖縄学研究者の3氏が受賞 沖縄文化協会賞


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賞状を手に笑顔を見せる沖縄文化協会賞授賞者の(左から)平井芽阿里さん、鈴木耕太さん、山本正昭さん=20日、浦添市のアイム・ユニバースてだこホール市民交流室

 沖縄文化協会(波照間永吉会長)は20日、沖縄学の若手研究者を対象にした「沖縄文化協会賞」(三賞)の授賞式を浦添市のアイム・ユニバースてだこホール市民交流室で開いた。比嘉春潮賞の山本正昭さん(47)=県立博物館・美術館主任学芸員、仲原善忠賞の鈴木耕太さん(42)=県立芸術大学芸術文化研究所准教授、金城朝永賞の平井芽阿里(めあり)さん(40)=中部大学准教授=へ表彰状が贈られた。

 考古学のグスク研究や戦争遺跡の調査で成果を挙げた山本さんは「県立博物館・美術館の現役の学芸員としては初めての受賞で、うれしい。博物館活動を注目してもらい、受賞につながったことは大変意義がある」と述べた。

 組踊を中心に芸能史研究を深める鈴木さんは「組踊研究が評価され、うれしい。組踊界全体で受賞したと思う。研究人生への自信や活力になる」と喜んだ。

 名古屋市出身で、宮古高校に通っていた経験などを縁に、宮古島市西原の村落祭祀(さいし)の研究を約20年間継続し、成果を挙げた平井さんは「協力していただいた(宮古島の)西原の皆さんのおかげ。感謝している」と強調した。伝統祭祀の後継者不足などの課題が県内各地にある中で「丁寧に調査していく必要がある」と思いを新たにした。