試食できる、生の声聞ける…「リアル」のメリット再確認 沖縄大交易会


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「沖縄大交易会2021」で熱のこもった商談を行う参加者ら=25日、那覇市松尾のホテルコレクティブ

 25日に那覇市のホテルコレクティブで開幕した沖縄大交易会(同実行委主催)は、昨年に続くオンラインと併せて、対面形式を2年ぶりに採用した。2020年以降の新型コロナウイルス感染症の流行でオンライン形式の商談が増えたが、サプライヤーは「実際に食べてもらうのが一番」、バイヤーも「パソコンでは商品の魅力が伝わりにくい」と話し、それぞれ「リアル」のメリットを再確認し、対面形式の開催を評価する声が相次いだ。

 菓子製造・販売事業ファッションキャンディ(宜野湾市)の與世田哲・卸事業課課長は「オンラインでは相手との日程調整が難しく、商談できないこともあった」と指摘。「じかにやりとりすることでバイヤーの生の声を聞け、伝えられる。リアルの良さをあらためて実感する」と話した。

 新垣通商(那覇市)の儀間誠統括部長は「リアルもオンラインもそれぞれ良さがあるが、商品を手にとってもらい盛り上がることができるのはリアルならでは。全国のバイヤーとここ沖縄で会える機会を生かしたい」と意気込んだ。

 大交易会は全国から多くの企業も参加する。創業200年を誇る日本茶卸売・茶匠六兵衛(京都市)の井上祐社長も「経費はかかるが対面は反応がいい。沖縄はアジアのハブ、ここでの商談をアジア展開の足がかりにしたい」と語った。

 全国の特産品卸販売などを手掛けるリンク&コミュニティー(岐阜県羽島市)は、バイヤーとして初めて参加。加治木弘久取締役営業部長は「オンラインでは商品の魅力が伝わらない。対面は不便と思われていたが、コロナを通して商談の在り方も見直されるかもしれない」と推測した。

 今回は、各ブースの間隔が狭く参加者はマスクを着用していることなどから、声が聞き取りにくいといった意見があった。また、開催2日間のうち、サプライヤーはいずれか1日だけの出品となるなど、開催の持ち方で課題も残った。

 健康食品製造・販売の仲善(南城市)の宮城直樹営業部長は「課題もあったかもしれないが、相対するのはいいことと思う。年1回開催を2回にするなど工夫してもいいのではないか」と提案した。