国際

【島人の目】温暖化の恩恵の善し悪し

 英国のグラスゴーで11月1~13日に開催されたCOP26は、地球全体の気温上昇を1・5度までに抑えるための枠組みを模索したが紛糾。またもや課題を先送りにした形での採択をしてお茶を濁した。誰もが問題の核心を知っていて、誰もがエゴをむき出しにし自らの犠牲を避けようとする。地球を健康体に戻そうとする試みは相変わらず困難を極めている。

 地球温暖化は単に気温を上昇させるだけではなく、極端な酷暑、豪雪、山火事、巨大台風、海面上昇などの異常気象をもたらすとされる。

 異常気象は生物にも影響して彼らに混乱をもたらす。僕の菜園の野菜たちにも温暖化によるらしい変化や混乱が見える。野菜の成長が極端に早まり、あっという間に花が咲いて結実する一方で、気候がいつまでたっても温暖なために、夏の終わりには命を終えるはずの野菜が長く生き続ける、という一見矛盾した現象も起きるのだ。

 ことしも不思議なことがあった。夏の初め、チンゲンサイが異様な勢いで伸び盛り、とうが立つどころか結実して、そのこぼれ種が再び発芽した。そのことに触発されて9月、新たにチンゲンサイの種を別場所にまいた。すると速やかに芽吹いてぐんぐん育ち収穫できた。春から初夏に急成長して枯れた分と合わせると、いわば2期作である。言うまでもなく2期作は温暖な地方の特権だ。

 僕の菜園は緯度的には北海道の北部域に当たる寒い北イタリアにある。奇妙な話だ。やはり地球温暖化が影響しているのではないか。少なくとも空気が普通に冷涼ならあり得ない。

 菜園での出来事だけを見ると温暖化は悪いことばかりではなさそうだ。しかし、地球全体での差し引きはむろん負の要因が多いに違いない。一筋縄では行かないのである。

(イタリア在、TVディレクター)



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