prime

農産物販売から加工まで…「西原さわふじマルシェ」にみる6次産業化の推進<けいざい風水>


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 西原町の複合施設である「西原さわふじマルシェ」は新鮮で安心・安全な地元の農産物や特産加工品を提供する場として、農産物の販路拡大、地産地消の推進を図ることを目的に2020年12月に誕生しました。

 コロナ禍のオープンによりレストランや軽食販売店の営業時間短縮や休業要請もあり集客が厳しい状況もあったそうです。しかし、さまざまなイベントにより集客し、直売店や加工販売店のある「うんたま市場」は賑わいを見せています。同施設の管理事務所によると、生産農家会員も当初の200名から440名に増加したとのことであり、品ぞろえも増え、雇用創出に貢献するなど活気が戻ってきています。

 施設内には、町の歴史文化の情報施設として「西原劇場」や、地元特産品の開発や西原ブランドの形成を図る「くわっちーキッチン」も併設されています。

 このような施設の取り組みは、農林水産省が推進する農林漁業の6次産業化にもつながります。6次産業化とは1次産業としての農林漁業と、2次産業としての製造業、3次産業としての小売業等の事業と総合的かつ一体的な推進を図り、地域資源を活用した新たな付加価値を生み出す取り組みです。6次産業化の事業活動計画を「総合化事業計画」と呼びます。農林水産省から認定を受けることで、さまざまな支援を受けることができ、認定件数は年々増えています。

 地域特産物の販路拡大や地産地消を推進する取り組みは全国各地で行われており、県内でも「西原さわふじマルシェ」を含めさまざまな6次産業化事業の発展が期待されています。

 (沖縄銀行坂田支店支店長 金城英秋)