石垣の住民投票を映画化「若きハルサーたちの唄」 湯本監督、東京都内で上映会とトーク


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映画の製作について語る湯本雅典監督(右奥)=25日夜、東京都新宿区の東京ボランティア市民活動センター

 【東京】石垣市平得大俣への陸上自衛隊配備計画の賛否を問う住民投票の実施に向け動く島の若者たちを追ったドキュメンタリー映画「若きハルサーたちの唄~島がミサイル基地になるのか」(湯本雅典監督)の完成上映会が25日夜、東京都新宿区の東京ボランティア市民活動センターであった。

 玉城デニー知事の誕生や進む軍事力強化などを追った「沖縄から叫ぶ 戦争の時代」、宜野湾市や名護市、秋田県など基地がある地域をたどった「沖縄と本土 一緒に闘う」に続く沖縄シリーズ第3弾。

 撮影は2019年2月から21年4月まで行われた。石垣市への陸上自衛隊配備計画を巡り、「まずは話し合いたい」と、住民投票の呼び掛けを始めた農家の金城龍太郎さん、宮良央さん、伊良皆高虎さんの3人にスポットをあて、市議会による住民投票条例案の否決や裁判闘争、自衛隊基地建設に揺れる住民らの姿を描き、住民自治や民主主義を問うた。3人が歌を通して住民投票を訴える姿も紹介された。

 上映会後のトーク会で湯本監督は「彼らに魅力を感じたが、距離感も感じた。その距離感が何なのか、もっと知りたいと思った」と映画製作のきっかけを語った。若者たちの活動の原動力について「(自衛隊基地建設に)賛成、反対と分かれ、分断されているが、分断のままで止まるのではなく、話し合うことを諦めたくないというのが根っこにある」と分析した。

 上映会は自主製作映画の上映を行うビデオアクト上映プロジェクトの主催。同ドキュメンタリー映画の自主上映権付きDVDも発売されている。問い合わせは湯本監督(電話)090(6039)6748。