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世界遺産「勝連城跡」と「阿麻和利」 施設整備で観光拠点に<けいざい風水>


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 勝連城第10代城主・阿麻和利は、1458年に琉球国王に抵抗して滅ぼされた人物として知られています。多くの歴史書では琉球王府に歯向かった逆臣として扱われていますが、一方で、海外貿易によって勝連地域に繁栄をもたらした名君として称(たた)えられ「肝高の(気高い)阿麻和利」と表現されている一面もあります。

 阿麻和利が治めていた勝連城跡は、2000年に世界遺産に登録された「琉球王国のグスク及び関連遺産群」のうちの一つであり、県内でも有数の観光スポットとなっています。コロナ禍以前の入場者数は増加傾向にあり、18年には18万5千人を記録し、08年の9万4千人と比較して10年間で約2倍に増加しています。うるま市では勝連城跡を地域振興の拠点とするため、「勝連城跡周辺整備事業」を進めており、事業完了後の入場者数30万人以上を見込んでいます。

 本事業は「勝連城跡」「文化観光施設」「勝連城跡公園」の3施設を整備することで、周辺一帯の誘客力の強化と滞在時間の延長を図り、観光消費の拡大を目指しています。去った10月14日、「文化観光施設」の一つ「あまわりパーク」がオープンしました。施設内にライブシアターを備えており、勝連城や阿麻和利の歴史、現代に受け継がれる「肝高の心」を大型スクリーンで紹介しています。

 悪者か英雄か。歴史的評価の2面性を持つ阿麻和利は一体どんな人物だったのでしょうか。皆さまも歴史ロマンを体感できる「勝連城跡」へ足を運んでみてはいかがでしょうか。

(沖縄銀行与勝支店支店長 國吉真仁)