建て替え工事中の第一牧志公設市場のオープンがほぼ1年遅れ、2023年3~4月頃になる見通しであることに、仮設公設市場や周辺で店を営む人々から「早く開設してほしい」「遅れるのではと予想していた」などの声が上がった。
周辺の店舗によると那覇市役所の担当者が6日に店を訪ね、スケジュールの変更を説明したという。
仮設の公設市場でお茶・食料品の店「てるや」を営む3代目店主の高良善貢さん(56)は「仕方がない。完成が遅れるだろうと言われていたが、延期するのであれば、その期間の家賃を補助してほしい」と要望した。
第一牧志公設市場組合の粟国智光組合長は「旧市場を建てるときも軟弱地盤で工事が難航したと聞いている。今回も遅れるのではないかと予想していた」と冷静に受け止めた。
来年は復帰50年を迎え、世界のウチナーンチュ大会もあるため集客を期待していた。「(当初の)22年オープンの意味は大きかった。早く造ってほしい思いはあるが、次の世代に建物を残すためにはやむを得ない」と残念がった。
建設現場の向かいで「松本商店」を営む松本司さん(49)は「工事の様子を見ていたが、進行が遅く、予定通りに完成にするのかと思っていた。コロナの影響もあったが、新しい市場がオープンし、にぎわいが戻ると思っていたのに遅れるのは残念だ」と声を落とした。
市場中央通りの「下町の小さな三線屋さん」の店主、新垣信男さんは「基礎工事に長い間掛かっているのが疑問だ。(店にとっては)死活問題だ」と困惑していた。
同じ通りにある泡盛店の男性店主(69)は「工事が始まってから店が閉まっていると思われ、客が来なくなった。個人商店が多く、体力的に続くか分からない。(各店は)厳しい状況の中、頑張っている」と話した。
(吉原玖美子)
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