安心安全!コンクリート浮桟橋を開発 耐久性や安定性に高評価 リウコン


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 コンクリート製品の製造・販売などを手掛けるリウコン(西原町、比嘉盛勝社長)は、マリーナなどで使用するコンクリートフロート(浮桟橋)を開発し、県内外へ出荷している。同社によると、同社の浮桟橋は耐久性や安定性の評価が高く、今後は県外への販路拡大と、海外への輸出も視野に入れている。

上部に床版を取り付けたリウコンのコンクリートフロート(提供)

耐久・安定性に高評価 販路拡大 海外も視野

 2014年、中城湾港マリンタウン地区の与那原マリーナ建設工事の業者から開発を依頼された。16年のマリーナ運用開始時には約500基を納めた。

 フロートは80センチ四方に長さ180センチの直方体で、発泡スチロールを18ミリの厚さのコンクリートで覆っている。浮桟橋の上部に床版を取り付け、港湾施設に設置している。14年に県産品の指定を受けた。コンクリートの重みで繊維強化プラスチック(FRP)製より水面下に沈むため、強風などでひっくり返る危険性も少ないという。

リウコンのコンクリートフロートが使用されている与那原マリーナ=与那原町東浜(提供)

 コンクリートには火力発電所で石炭を燃やした際に残る灰「フライアッシュ」を活用。独自の配合で混ぜることで耐久性を向上させている。今後は世界的な脱炭素の流れを受け、フライアッシュの入手が困難になることも想定し、パームヤシ殻など木質バイオマスの燃焼灰をコンクリートに混入することも検討している。

 与那原マリーナを皮切りに出荷は増え、福岡県や大阪府など西日本のマリーナや漁港などを中心に出荷している。新型コロナの流行前までは毎年売り上げが10%程度伸び、港湾施設だけでなく、沖縄こどもの国(沖縄市)の池に架かる水上園路にも使用されている。

 リウコンの大城盛和常務は「技術には自信がある。関東や東北地方などでは納入実績がないので、販路を広げていきたい」と語った。比嘉社長は「海上風力発電やパヤオ漁業の足場にも活用できるのではないか。さまざまなニーズがあると思うので、海外への輸出も目指したい」と意気込んだ。

 (小波津智也)