2016年12月に名護市安部の沿岸部で米軍普天間飛行場所属の垂直離着陸輸送機MV22オスプレイが墜落した事故から13日で5年がたつ。沖縄防衛局の航空機調査の結果を本紙が集計したところ、普天間飛行場所属のオスプレイの同飛行場での離着陸回数は20年度は4240回を記録し、17年の集計開始以降、最多だった。オスプレイを使った訓練の激化が浮き彫りになっている。
20年度の普天間飛行場常駐機の離着陸回数は1万6380回で、調査開始以降最多だった。在沖米海兵隊は本紙の取材に「新型コロナウイルスの影響で沖縄県外の演習が中止になったり、パイロットが訓練で米国に戻れなくなったりし、沖縄で訓練を実施したため」と増加の要因を説明する。
普天間飛行場での同飛行場所属オスプレイ離着陸回数は、事故発生直後の17年度の離着陸回数は2300回だった。18年度は2952回、19年度は2694回だった。
同飛行場所属のオスプレイは今年8月、中部訓練場(米軍キャンプ・ハンセン、シュワブ)から飛行場に戻る途中に機体パネルなどを落下させた。11月には宜野湾市の住宅敷地内に乗員の水筒を落下させている。
16年12月の名護市安部の沿岸部での墜落事故は、沖縄近海での空中給油中の接触が原因となった。訓練空域外を含め、事故後も米軍は沖縄近海での空中給油訓練を続けている。
(塚崎昇平)
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