【東京】来年で日本復帰50年の節目を迎える沖縄の新たな振興を巡り、与党自民党は15日、新たな沖縄振興の根拠法となる新法について、法律の適用期限を従来の10年から5年とする試案の検討を始めた。現行法通りに10年とする試案も引き続き検討し、党内での議論を経て週明けにも党の方針をまとめる。根拠法の沖縄振興特別措置法は1972年の日本復帰以来、10年単位で続いてきた。期間が短縮されれば、新たな沖縄振興計画の整備や内容にも影響を与えることになる。
期限を5年とする試案は、自民党沖縄振興調査会(小渕優子会長)が同日開いた会合で内閣府が示した。
党側の求めで、現行通りの10年とした場合の想定と併せ内閣府が作成した。
会合後に取材に応じた小渕会長は「(期限を10年とする案と5年とする案について)それぞれのメリットとデメリットが示された」と説明した。党内や関係各所との協議や調整を踏まえ、今月20日ごろに党の方針を取りまとめるとした。
宮崎政久事務局長によると、出席議員からは現行法が成立した10年前と比べ経済環境の変化が激しい点などから「5年で時代の変化に対応して見直すべきだという意見が多かった」と明かした。
県や、自民党県連などが現行法の10年延長を求めている点を踏まえ「地元の意見を尊重し、従来通りの延長幅にするべきだ」とする声もあったという。
西銘恒三郎沖縄担当相は本紙の取材に「期間はこれまで通り10年を求めるつもりだ。結論が出たわけではない」と強調した。
来年3月で期限を迎える特措法は1972年の成立以降、10年ごとに改正されてきた。振興計画の根拠法となるほか、振計に基づく事業に関する予算を一括して計上し、公共工事の国庫補助率をかさ上げする高率補助制度などが盛り込まれている。 (安里洋輔)
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