【うるま】「なぜ階級を歯の本数で分けるの?」。5日の本紙記事の闘牛審査会について、多数の読者から疑問が寄せられた。闘牛の資質を見る審査会では、大会デビュー前の若牛が永久歯2本以内と6本以内の2クラスに分けられる。どうして年齢ではないのか―。調べてみた。
本紙で闘牛通信員を20年以上務める平川康宏さん(72)によると「歯の本数が年齢にぴったり比例するから」。牛の管理・異動履歴を把握するため「牛の個体識別のための情報の管理及び伝達に関する特別措置法」が2003年に制定された。それ以前は年齢が明確ではない個体も少なくなかったという。
牛は生後間もなく乳歯が生え、段階的に永久歯に生え変わる。2カ月で永久歯が2本生え、24~30カ月で永久歯4本、30カ月~5年で永久歯6本になる。年齢はごまかせても歯はごまかせないのだ。
元新聞記者の謝花勝一氏著『ウシ国沖縄・闘牛物語』(1989年発刊)によると、闘牛の審査会は1970年に具志川市から始まった。当時は「闘牛候補牛共進会」と呼ばれていた。開始時は永久歯6本以内で、現在のように2クラスに分かれたのは1994年から。82年からは石川市でも開催されている。
平川さんは「牛に関わってない人からすると面白いかもね。私たちは伝統なので、歯で分けることに何の疑問も持たなかったけど」と笑った。
(新垣若菜)
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