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SDGs×金融教育 社会の変化に対応するために<けいざい風水>


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 近年、企業や地域社会において、SDGs(持続可能な開発目標)への取り組みがあらゆる場面で行われています。大きな目標である17の目標のうち、目標1「貧困をなくそう」において金融サービスを受ける権利について言及がなされ、目標4「質の高い教育をみんなに」では、あらゆる人々が持続可能な開発を促進するために必要な知識および技能の習得が掲げられています。

 2019年に金融広報中央委員会が行った金融リテラシー調査(お金の知識、判断力)において、家計管理、生活設計、金融知識、外部の知見活用の分野別に調査を実施したところ、金融教育を受けたことがある人の正答率は、そうではない人を上回っているとの結果になりました。さらに、正答率が高い都道府県は緊急時に備えた資金を確保している人が多いという結果もあります。ITの進展により高度化する金融サービスや社会構造の変化に対応していくには、金融教育向上が重要になると思われます。

 22年から新しい学習指導要領に基づく高校家庭科教育の中で、金融教育がスタートします。お金は物やサービスの価値を測る尺度であり、あらゆる産業で働く人々にとって重要な役割を果たすものです。学校だけではなく、地域社会、金融機関をはじめとする県内の各企業が率先して金融や経済について学ぶ機会を提供していくなど、県民の金融リテラシー向上に貢献していくことが、持続可能な社会を実現するための取り組みにつながるのではないでしょうか。

(沖縄銀行本店営業部融資課課長 渡真利晋)