オリックス・宮城大弥さん「まずはやらないと始まらない」球界を代表するエースへ


この記事を書いた人 アバター画像 田吹 遥子
入団2年目の昨年、13勝を挙げてオリックスのリーグ優勝に貢献した宮城大弥=2021年11月21日、大阪市の京セラドーム

 球界を代表するエースへ―。そう予感させる快投を重ねた。昨年13勝の2桁勝利を挙げたオリックスの宮城大弥(20)=興南高出。高卒2年目の20歳ながら、老練な投球術で打者を手玉に取った。堂々としたマウンドさばきは、既に大物の風格を漂わせる。25年ぶりのリーグ優勝に貢献し、新人王を獲得した。鮮烈な印象を残し、3年目のシーズンに突き進む。

 力のある速球と鋭い変化球を同じ腕の振りから投げ、打者を打ち取る巧みさが際立った。

 スローカーブの使い分けが光り、強打者にも物おじせず抑え込む。「高校から変わっていない」という度胸の良さは天性そのもの。

 「まずはやらないと始まらない。緊張しても暴投を投げても、どれだけ恥ずかしい思いをしてもいいから、まずはやろうという気持ちでやっている」。昨年は後半戦に失速したが、辛抱して立て直した。窮地でも気持ちを切り替えられる精神力や緩急自在の投球は、この1年でさらに成長を遂げた。
 「けがをせず1年間、回りきること。それで結果が付いてきてくれたらいい」。謙虚な姿勢で野球に向き合い、一勝一勝の積み重ねで日本一をたぐり寄せる。 (謝花史哲)

 みやぎ・ひろや 2001年8月25日生まれ、宜野湾市出身。171センチ、80キロ。左投げ左打ち。志真志小―嘉数中―興南高出。4歳から野球を始め、志真志ドラゴンズ、宜野湾ポニーズで活躍。15、18歳以下の日本代表に選出。ドラフト1位指名で20年にパ・リーグのオリックスへ入団。2年目の昨年、23試合に登板し13勝(4敗)を挙げた。座右の銘は「一生百錬」。

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沖縄の日本復帰から今年で50年の節目を迎える。沖縄スポーツにとっての半世紀は、各競技の“うちなーアスリート”が日本、世界の大舞台で熱いドラマを紡ぎ、これに県民が心震わせてきた歴史でもある。郷土の期待を背に躍動する姿に県民は夢と希望を見いだした。年代を代表する選手や、象徴的な出来事に関わったエピソードを通して50年間の軌跡をたどる。

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