沖縄のバリアフリービーチ 車いすトラベラー・三代達也<未来へいっぽにほ>


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三代 達也(車いすトラベラー)

 車いすで海を楽しむのはなかなかハードルが高い。一番の天敵は砂浜で、車いすを前に進めるにも前輪が小さく、どんどん砂に埋もれていってしまう。これはベビーカーなども同じだと思う。さらに悩みの種が、どこでシャワーを浴びるかという問題。ありがたいことに、近年の海は車いす用の駐車場や広いトイレが増えてきた。しかしシャワースペースはどこも狭く、車いすユーザーはまたしても満足に利用できない。これらのバリアーにより、車いすユーザーは自然と海から離れてしまう人が多いように感じる。

 そんな時僕が出会って衝撃を受けたのが、豊見城市のオリオンECO美らSUNビーチである。ずらりと並ぶ車いすパーキング、広いトイレ、そしてなんと広いシャワースペースまで完備されていた。

 それだけにとどまらず、このビーチには「チェアボート」というものが用意されている。これは水陸両用車いすで、浮輪のような大きなタイヤが付いている。砂浜もグングン進み、さらには海にもぷかぷか浮くことができるので、車いすユーザーでも心ゆくまで海を楽しむことができる代物。おかげさまで初めてストレスなく海を楽しむことができた。そしてこの感動をたくさんの人に伝えたいと思い、SNSでも発信したところ多くの反響を頂いた。

 車いすでもここまで海を楽しめ、障がいがなくても高齢者にも使いやすそうなど、海に困りごとを抱えていた方たちの希望につながったのはうれしかった。

 2021年は、なかなか大声で沖縄に来てほしい!海を楽しんでほしい!とは言えなかったが、22年は状況が落ち着くことを願ってたくさんの方の来訪を待っている。そしてこのような素晴らしいビーチが一つでも多く増えるよう自分も活動を続けていきたい。