しまくとぅば「聞ける話せる」人の減少幅、60代以上が大きく 重要な出来事は「沖縄戦」が最多<復帰50年・琉球新報県民意識調査>


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 琉球新報が実施した2021年の県民意識調査で「しまくとぅばをどの程度使えるか」との質問の回答を年代別に見ると、「聞くことも話すこともできる」と答えた人の割合は前回16年調査と比較すると全年代で減った。減少幅は高齢層ほど大きく、話せる人が減ったことによる影響が全年代に及んでいる。

 今回の調査で「聞くことも話すこともできる」と回答した人の年代別割合と16年調査比は、21年は20代が5%(16年調査比2・5ポイント減)、30代が9・3%(同8・4ポイント減)、40代が9・4%(同15・5ポイント減)、50代が17・3%(同29・3ポイント減)、60代が39・8%(同31・5ポイント減)、70代以上が57・2%(同23・4ポイント減)だった。

 話せる人の割合は若年層ほど低いものの、20代の下げ幅は小さく、下げ止まりの傾向。一方、60代までは年代が上がるほど減少幅が大きくなった。

 トートーメー(位牌)の継承については「男女どちらが継いでもいい」との回答が過去最多の68・0%に上ったが、年代別での差は比較的小さく、20代の64・0%が最も低く、60代の71・7%が最も高かった。

 一方、「男性が継いだ方がいい」と答えた人は30代が最も低い6・7%で、年代が上がるほど高くなる傾向があり、70代以上は19・4%に上った。年代が低いほど「分からない」との回答が多かった。

 沖縄の近現代の出来事で「何が最も重要だったと思うか」(三つまで選択可)との質問については、過去4回の調査と変わらず「沖縄戦」が39・7%で最も多かった。ただ、調査の度に割合は減少している。前回16年の調査後に起きた「新型コロナウイルス感染症の拡大」(2位)「首里城焼失」(3位)「辺野古埋め立ての賛否を問う県民投票」(5位)などが上位に入った。
 (仲村良太)