南城市長選クロス討論 古謝氏から瑞慶覧氏に質問 大規模集客施設の事業者名公表は妥当か?


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 【南城】16日告示、23日投開票の南城市長選は告示まであと3日に迫った。2期目を目指す無所属現職の瑞慶覧長敏氏(63)=共産、立民、社民、社大、にぬふぁぶし、れいわ推薦=と、返り咲きを狙う無所属前職の古謝景春氏(66)=自民、公明推薦=が立候補を予定しており、両陣営が激しい前哨戦を繰り広げている。琉球新報は12日までに、両氏から相手の政策や訴えに関する質問を寄せてもらい、それぞれ各200字程度で回答してもらう紙上クロス討論を実施した。両氏の質問と回答を紹介する。(文中敬称略)(金城実倫)

瑞慶覧長敏氏

 古謝 児童館建設、図書館、歴史文化施設の整備、危険な公共施設の改修など、前回の市長選挙で掲げた公約は実現できていない。今回も公約に挙げているがどう実現するのか。

 瑞慶覧 児童館建設については、2015年に船越小学校区から連名で要請があり、前市長が「補助率が低く、建設計画はない」と公文書で回答したと承知している。しかし、ニーズ調査の結果などで、船越・玉城両小学校区での児童館の必要性は高いことから、コロナ禍で遅延したが、2期目で必ず建設する。図書館等は複合ビルの中で整備検討中であり、危険な公共施設の改修などは改善要望件数が16年と比較し100件以上増加しており、対応している。

 古謝 政策に大規模集客施設誘致による400人規模の雇用とあり、事業者名を公表している。当該地は地権者らによる組合が設立され、企業と調整中と聞くが、公約として妥当なのか。公表によって契約に影響はないか。

 瑞慶覧 南城市は土地区画整理組合準備会の設立段階から当該企業の誘致に努めてきた。昨年9月に最も大きなハードルだった10年ぶりの農業振興計画変更が完了したこともあり、早期に誘致を表明して、公共下水道の整備や南部東道路の全線供用と関連市道の整備、地元での雇用拡大のための人材育成を検討するなど、周辺の環境整備を可能な限り早期に進める。企業名の公表については市長としての誘致表明であり、企業側の了承は得ている。

 古謝 大里地域の統合幼稚園(認定こども園)の候補地選定で、当初大里北小跡地とし、その後大里総合保健福祉センターに変更した。大里北小区域の住民や同センターの利用者に説明会を開き、市民の声を聞いて決定したのか。

 瑞慶覧 前市長時代に用地決定に至らず、2019年8月に改めて用地選定委員会に諮問し、さまざまな用地を検討して大里北小跡地に決定したが、市民の反対の声が多く変更した。20年7月に市民説明会を実施し、おおむね同意を得て、移転先として決定した。当初の決定には固執せず、市民の声を受けての変更は「市民の声でまちづくり」の信条あればこそだった。市長として自ら、大里総合保健福祉センターの利用団体と、教育委員会、市社協を交えて意見交換会も実施した。


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