南城市長選クロス討論 瑞慶覧氏から古謝氏に質問 プロ野球キャンプ誘致、予算の財源は?


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 【南城】16日告示、23日投開票の南城市長選は告示まであと3日に迫った。2期目を目指す無所属現職の瑞慶覧長敏氏(63)=共産、立民、社民、社大、にぬふぁぶし、れいわ推薦=と、返り咲きを狙う無所属前職の古謝景春氏(66)=自民、公明推薦=が立候補を予定しており、両陣営が激しい前哨戦を繰り広げている。琉球新報は12日までに、両氏から相手の政策や訴えに関する質問を寄せてもらい、それぞれ各200字程度で回答してもらう紙上クロス討論を実施した。両氏の質問と回答を紹介する。(文中敬称略)(金城実倫)

古謝 景春氏

 瑞慶覧 野球場整備によるプロ野球キャンプ誘致には、本野球場とは別に練習場やトレーニング施設設置など、莫大(ばくだい)な予算が必要だが、その財源は。福祉予算を削ることにならないか。

 古謝 現市長が一度も活用していない沖縄振興特定事業推進費を国に要請して実施する。福祉政策については、少子高齢社会を見据え、高齢者や障がい者が生きがいと安らぎの持てるまちづくりを基本に、ムラヤー(公民館)を核とした放課後の子どもの居場所、高齢者の生きがい対策、福祉・保健・医療・介護が連携した一体的な支援と健康づくりを推進するための中核的な施設として福祉関連複合施設を建設し、福祉の充実化に取り組む。

 瑞慶覧 デジタル田園都市構想について、補助率など具体的に示されていない中、特区申請をすると市の財政負担が必然となる。財源(通常総務省からの補助は50%以下)はどうするのか。

 古謝 デジタル田園都市国家構想などに関する政府の2022年度予算案は、約1千億円とされる。特区申請に当たり、高率補助の申請も併せて行い、財政負担を軽減する。各省庁の関連事業の予算活用と、沖縄ITイノベーション戦略センターなど民間企業とも連携しながら、テレワークによる雇用の拡大、オンラインを活用した医療と教育、観光、農業分野などのデジタル技術による生産性の向上などに取り組む。所得、利便性、幸福感の好循環を構築して、大都市並みの雇用と収入が得られるまちづくりにする。

 瑞慶覧 児童館について「補助率は低く児童館建設の計画はない」と、2015年11月に、明確に文書で回答したが、大里北小学校校区と船越小学校校区で、児童館を建設すると説明したことは事実か。事実であれば、その理由は。

 古謝 4年前の選挙で政策として公民館と児童館の併設を掲げたが、現市政において頓挫している。南城市は合併以降、自治会の公民館(ムラヤー)を核とした地域づくりを進めており、今回説明した船越小学校校区、大里北小学校校区の児童館については、ムラヤー整備の中で児童館機能を併設した施設整備に取り組み、児童厚生員を配置して、子どもの放課後居場所を確保する。整備費については、沖縄振興一括交付金や沖縄振興特定事業推進費を財源として取り組む。


南城市長選クロス討論 古謝氏から瑞慶覧氏に質問 大規模集客施設の事業者名公表は妥当か?