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事業承継計画 策定通じ自社の強みを把握<けいざい風水>


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 沖縄県の後継者不在率は2011年から全国ワーストで推移していました。21年調査では初めて80%を下回り、最下位を脱しましたが、不在率73・3%と依然高い状況です。

 事業承継は「親族内承継」「従業員等への承継」「第三者承継(M&A)」の3種類に分けられます。一番多いケースは「親族内承継」で、近年は「第三者承継」も増えています。

 事業承継は経営、資産の承継を行いますが、特に現経営者が後継者へ安心して自分の会社の経営を託すことが重要です。そのため、後継者が現経営者の「想い」や「歴史」「見えない強み」等の定性面と、会社の重要な経営資源である「ヒト・モノ・カネ」を定量的に理解する必要があります。

 現経営者は自社全体を知り尽くしている一方で、後継者は全体を知らず、ギャップが生じるケースが多くあります。その穴埋めには、後継者を中心に事業承継計画を作成することが効果的です。計画策定を通じ、自社の現状を分析し、強み弱みを把握した上で方向性を決め、業績改善等を含めて自社を磨き上げると共に、現経営者の理念や経営姿勢を学ぶことが可能です。

 親族内承継を行った先で、承継前の5年以内に先代経営者と共に後継者を経営に携わらせていた企業が7割弱となっています。経営に携わってもらう際には、計画を策定してみてはいかがでしょうか。

 また、沖縄県事業承継・引継ぎ支援センターを中心に、金融機関を含めた関係団体で沖縄県事業承継ネットワークを構成し、支援を行っております。ぜひ、ご気軽にご相談ください。

(沖縄銀行西崎支店支店長 仲村元彰)