沖縄県は27日、10歳未満から90代以上の1100人が新たに新型コロナウイルスに感染したと発表した。高齢者の感染が増加していることを受け、27日に決定した県対処方針で、福祉施設の利用者とその家族に、通所サービスの利用を控えるよう協力を求める対策を新たに盛り込んだ。
糸数公医療技監は「高齢者の感染は、減少どころか増加を続けている。感染経路では、介護施設などでの施設内感染が多い」と述べ、高齢者への感染拡大を防ぐための対策の趣旨に理解を呼び掛けた。
玉城デニー知事は会見で「60代以上の高齢者層は増加傾向にある」と危機感を示した。感染者全体に占める60代以上の割合は1月6日からの1週間では7・0%だったが、20日からの1週間は17・1%に上るという。また、玉城知事は軽症者用の宿泊療養施設について、2月1日から那覇市内に1施設250室を新たに開設すると明らかにした。10施設1180室となる。県は引き続き新たな施設確保に向け、調査を続ける。
直近1週間の人口10万人当たりの新規感染者数は、26日までの1週間で528・98人で全国3位となった。1カ月前の12月24日から続いていた全国ワーストを脱した。新規感染者は10歳未満が165人と最多で、10代156人、30代155人、40代152人などと続く。
27日の感染や濃厚接触による医療従事者の欠勤は重点医療機関21病院で計415人、その他の69医療機関で計289人だった。
福祉施設の感染は、高齢者施設70カ所、障がい者施設13カ所で計269人が施設内で療養している。
在沖米軍関係者は嘉手納基地63人、キャンプ・ハンセン44人など11施設で計190人の感染が報告された。(中村万里子)
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