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キャンプキンザーの返還、経済効果は新都心を上回る?その高い潜在力とは<けいざい風水>


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 琉球王朝発祥の地として知られる浦添市は、戦後、国道58号線の整備に伴う急激な人口増加により都市化が進み、沖縄県内で人口密度が那覇市に次ぐ2番目の高さとなっています。また、県を代表する企業も多く、経済地域としても発展してきました。

 市の約14%の面積を占める軍用地、牧港補給地区(キャンプ・キンザー)について、2013年の日米統合計画で返還が決定され、現在は国道58号線の拡張工事が行われています。同地域は国道58号線の西側沿いに約2キロにわたって接続し、那覇空港から「うみそらトンネル」を利用すると15分程度で到達するという交通至便な位置にあります。

 同施設の返還面積は274ヘクタールで、那覇新都心地区(195ヘクタール)の約1・4倍の規模となっています。跡地利用による経済効果は、返還後の施設・基盤整備(投資)による効果(公共・民間含む)を表す「整備による直接経済効果」は3143億円、卸・小売業、飲食業、サービス業、その他産業の売上高、不動産賃貸額の効果を表す「活動による直接経済効果」は2564億円と試算されております。

 跡地利用の計画については、西海岸開発と一体で計画され、世界水準の観光リゾート地の形成や新たな企業等の立地促進を図る計画となっています。いずれにしても、那覇新都心地域に勝るとも劣らない経済効果や発展が期待される潜在力の高い地域であることから、浦添市のみならず、国や県、さらには市民や地主、企業等の皆さまの協力と叡智(えいち)の結集が求められます。

 (沖縄銀行内間支店支店長 松堂稔)