「つらい思いさせないで」重傷の高校生にネットで誹謗中傷も 沖縄署騒動から1週間


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 1月27日に沖縄市宮里の路上でバイクで走行中の男子高校生(17)が、沖縄署の男性警察官(29)と接触した後、右眼球破裂などの重傷を負った件で、高校生の親族は2日、琉球新報の取材に応え、高校生の容体や様子などを語った。関係者が撮影した写真からは、接触時の衝撃の強さがうかがえる。発生から1週間、インターネット上では、不確かな情報が氾濫し、高校生を誹謗中傷(ひぼうちゅうしょう)する書き込みも見られる。

騒乱直後の沖縄署。掲示板は壊れ、壁には落書きも=1月28日朝

 親族によると、入院中の高校生は少しずつ食事を取れるようになり、体力は回復しつつあるが、けがによる精神的なダメージが大きいという。高校生の顔には右耳から右目にかけて、接触した際に負ったとみられる数センチの傷が残る。親族男性は高校生の心情を察し、「精神的にもつらい状況にある。県警には1日でも早く、事実関係を明らかにしてほしい」と話した。

 同件を巡っては、会員制交流サイト(SNS)やネット上で、依然不確かな情報や関係者を蔑視するコメントなどが目立つ。親族男性は「高校生は現在、ネットを見られる状況にないが、いずれ本人がこの誹謗中傷を目にした時にどう感じるか。目に大けがを負い、これ以上つらい思いをさせないでほしい」と話し、涙を浮かべた。

重傷を負った高校生。耳から目にかけて数センチの傷が残る=1月27日に関係者が撮影(画像を一部加工しています)

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