警棒持っていた事実「判然とせず」公表遅れ 高校生眼球破裂、国会で警察庁が説明


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夜中に投石などがあった騒動直後の沖縄署

 【東京】沖縄市で男子高校生が沖縄署の警察官と接触した後、眼球破裂などの重傷を負った件で、警察庁の緒方禎己生活安全局長は4日、警察官が事案発生時に警棒を持っていた事実を認めた上で、公表が遅れた理由について「事実関係が判然としていなかった」と説明した。二之湯智国家公安委員長は、この件に抗議する若者らが沖縄署前に殺到した騒動も含め「(事案の詳細を)明らかにする必要がある」との認識を示した。

 一連の事案に関して、中傷的な内容を含む悪質な書き込みがインターネット上で相次いでいることについて、松野博一官房長官は「仮に沖縄の方々の気持ちを傷つけるような投稿があるとすれば、それは決して容認されないものだ」と述べた。衆院内閣委員会での山岸一生氏(立憲民主)への答弁。

 緒方氏は、事案発生時に警察官が警棒を持っていたかどうかについて「事実関係が判然としていなかったため、確認中と説明していた」とした。一連の事案について県警の見解が遅れている理由について、客観的資料が乏しい点や、高校生への事情聴取が困難な点を上げ「現時点で、必ずしもその全容について明らかにはなっていない」との認識を示した。 (安里洋輔)


 

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