沖縄の景気「持ち直し弱まる」日銀が判断引き下げ 2月の金融経済概況


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 日本銀行那覇支店(飯島浩太支店長)は10日、2月の県内金融経済概況(主要指標2021年12月)を発表した。新型コロナウイルス感染症の沈静化で景気に持ち直しの動きが見られたものの、変異株「オミクロン株」の感染拡大で消費や観光で下押し圧力が強まっていると分析。県内景気は「厳しい状況にある中、持ち直しの動きが弱まっている」と、前月からの判断を引き下げた。

 先行きについては「引き続き感染症の再拡大の影響を受けるとみられる」と判断した。飯島支店長は「(新型コロナの)感染が落ち着くまではサービス消費を中心に強い下押し圧力が続く」と指摘し、県内の経済回復は感染症の動向に大きく依存するとの見解を示した。

 【消費】コンビニエンスストア全店舗の売上高は新規出店効果が続く中で観光地における売り上げの回復が見られ、前年同月比8・9%増となった。ドラッグストアの売上高は店舗数の減少傾向に加え、外食の増加で酒類などの売り上げに減速感が見られ同13・2%減となった。

 【観光】主要ホテル稼働率は46・8%となり、コロナ流行前の19年との比較では28・1%減少したが、前月に比べ減少幅は縮小した。ことし1月の速報値(10日現在)は23・0%となり、前年の確定値を6・4ポイント上回っている。

 【投資】公共投資は緩やかに増加しており、公共工事保証請負額は1・6%増となった。新設住宅着工戸数も15・8%増となった。国土交通省発表の21年県内戸数は統計以来初の1万戸を下回ったが、飯島支店長は「県内は人口や世帯数も増えており、大きなトレンドとしては緩やかに増加するとみていいと思う」と述べた。

 (小波津智也)