MICE整備費、150億円減らし350億円 展示場面積3分の1に 沖縄県が計画案


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MICE予定地となっているマリンタウン地区=2018年

 玉城デニー知事は18日、与那原町と西原町にまたがる中城湾港マリンタウン地区に整備する大型MICE施設(マイス=企業の報奨旅行や国際会議などのイベント)などの整備事業について、基本計画案を発表した。展示場を従来計画の3万平方メートルから1万平方メートルに縮小するのに伴い、整備費は当初見込みの500億円から350億円に減った。7500平方メートルの多目的ホールなどの施設や、周辺のホテル整備も同時に進める。開業時期は未定。

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 経済効果は550億円

 展示場面積の変更について玉城知事は「コロナの影響による催事形態の変化を踏まえ、ハイブリッド対応などの機能を充実させれば十分に需要を取り込める。民間事業者の参画可能性を高めるためにも面積を変更した」と話した。今後の需要拡大に応じて展示場を1万~2万平方メートル拡張できる設計にする。

 年間のMICE開催件数233件、利用人数は98万人を想定している。経済波及効果は、開催に伴う飲食や観光などの直接効果で352億円、間接効果で199億円の合計551億円と試算した。

 県の施設整備の手法としては初めて、行政と民間が連携してサービスを提供するPPP(パブリック・プライベート・パートナーシップ)方式で進める。施設の設計や建設、運営は事業者が担い、施設は県が所有する。周辺の集客施設などの整備は、事業者の自由な提案を認める。22年度に意見公募(パブリックコメント)を実施し、基本計画を策定する。

 玉城知事は「これまで県で受け入れられなかった大規模な国際会議や学会などの開催が可能となり、効果は県全体に波及する」と話した。
 (中村優希)


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