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海を守るSDGs実践 恩納村のサンゴ植付活動<けいざい風水>


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 沖縄本島北部西海岸に位置する恩納村は、風光明媚(めいび)な岬やビーチが多く、約46キロに及ぶ海岸線は沖縄海岸国定公園とされており、国内有数の海洋性リゾート地となっています。

 その地の利を活かして2018年7月に「サンゴの村宣言」を発信し、19年には県内でいち早く「SDGs未来都市」の選定を受けるなど、海の保全、特にサンゴの保護に取り組んでいます。その中で恩納村漁業協同組合はモズク、アーサ、海ブドウといった海鮮類の生産・販売を中心に漁を行う傍ら、サンゴの栽培、植え付け等のSDGs(持続可能な開発目標)活動にも積極的に取り組んでいます。

 こうした取り組みは、世界的な海水温上昇に伴う大規模なサンゴの白化現象や、オニヒトデ大量発生問題等がクローズアップされていた1998年頃からスタートしており、活動期間は23年に及びます。漁協を中心とした長年にわたる活動の中で、モズク製品などの販売代金の一部や県からの補助金、各ボランティア団体からの寄付金などの資金を元手に、観光関連事業所等とも連携し、地道にサンゴの植え付けに取り組んできました。その結果、これまでに累計3万9159本の植え付けが行われています(2021年12月現在)。

 これらの活動は17項目あるSDGsの目標のうち、第14項目の「海の豊かさを守ろう」に該当します。恩納村ではその他にも、サンゴの生態系について学習するプロジェクトや実際に植え付けを体験するプログラムも設ける等、海の自然を次世代へ引き継ぐ取り組みも行われています。

 (沖縄銀行恩納支店支店長 山城孝)