沖縄県内の製造業、自給率低下 労働生産性も622万円減


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 沖縄県工業連合会(古波津昇会長)は24日、県工業製品の県内自給率などについての調査結果を発表した。県が2020年に発表した最新の産業連関表(15年)を基に、琉球大が分析した。県内生産額を就業人数で除した、県内製造業の実質的な労働生産性は、前回調査(11年)と比較して622万円低下し、1758万円となった。全国平均の3225万円に比べて45・5%低かった。

 調査を受託した琉球大の獺口浩一教授と研究室の学生が、産業連関表を活用して分析した。

 県内製造業の自給率は23・6%だった。統計の取り方が異なるため単純比較はできないが、前回調査から8・5ポイント低下した。製造業は全ての業種で全産業平均の71・5%を下回った。県外からの移輸入が大幅に増加したことが影響した。

 製造業の自給率が3%上昇した場合、生産誘発額は789億3600万円で、6602人の雇用を誘発すると試算し「製造業の自給率上昇に伴う県内への経済波及効果は大きい」と指摘した。

 獺口教授は「地域経済の規模が大きくない中で生産規模を拡大するのは容易ではない。外に漏れている需要に県内で応える取り組みや、県外市場の開拓が可能なら移輸出増を目指すのが一つの方向になる」と語った。

 古波津会長は「沖縄で供給できるものを移入すると、沖縄のお金が外に持ち出される」と話し、可能なものは県内で供給していく必要があるとの見解を示した。

(沖田有吾)