1日で6千枚撮影…和と琉球の美を表現 美来工科高1年生が最優秀 県高校写真コンテスト


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田里さんの作品「余暇」

 第45回県高等学校写真コンテスト(県高等学校文化連盟写真専門部主催)がこのほど開催され、美来工科高1年の田里友莉さんが最優秀賞に輝いた。田里さんは同校写真部に入部するまで、本格的な撮影は未経験で「受賞に自分でも驚いている。これからも撮影を続けて技術を身に付けたい」と喜びを語った。

 受賞作の作品名は「余暇」。浴衣姿の女性が本や三線を手に取り、古民家の廊下や一室で過ごす姿を写真に収めた。「和と琉球の雰囲気を出したかった」と衣装や小道具について説明する。また、新型コロナウイルスの影響で、一人で過ごす時間が増えたこともあり「孤独な中でも、自分のやりたいことを楽しんでいる様子」を撮影で表現した。

最優秀賞を受賞した田里友莉さん(左)と写真部の玉城充顧問=2月14日、美来工科高

 21年5月に写真部に入部。レンズの明るさを調整するF値やシャッター速度など、初めて扱う一眼レフカメラに最初は戸惑ったという。顧問の玉城充教諭は「努力家で、満足いく写真が撮れるまで何枚もシャッターを切る」と話す。携帯のカメラとは違い、細かい設定ができる分、田里さんは「最初は難しかったけど、撮影を繰り返しただけ上達していくのを感じる」と徐々にのめり込んでいった。

 受賞作は1日で6千枚を撮影した中から厳選した。モデルの女性がきれいに写るように、さまざまな角度から撮った。撮りたい表情をモデルに伝えるなど、意見交換や声掛けも積極的に行った。田里さんは「入選を目指していたが、努力が実った」と振り返った。将来は「写真に関する仕事に就きたい」と意気込み、手にしたカメラを握り直した。
 田里さんの作品「余暇」は、12月に開催される全九州高校総合文化祭・佐賀大会へ推薦される。 (名嘉一心)