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ネット活用「eKYC」知ってる? オンライン上で本人確認 スマホ普及で注目<けいざい風水>


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 現代においてインターネットやスマートフォンの利活用が欠かせませんが、総務省の2020年「通信利用動向調査」では、全都道府県でパソコンよりスマートフォンでのインターネットの利用割合が高くなっています。沖縄県においてもパソコン43・6%に対し、スマートフォン65・1%の利用割合となっています。

 これだけ利用率の高いスマートフォンには色々なアプリやサービスがあり、生活する上で欠かせない存在ですが、「eKYC」についてはご存知でしょうか。

 eKYCというのは、「electronic KYC(Know Your Customer)」の略称で、直訳すると「電子的に顧客を知る」という意味になります。デジタル技術を用いてオンライン上で本人確認を行うということです。18年11月の犯罪収益移転防止法改正により、この方法を利用したサービスが注目されています。矢野経済研究所の国内のeKYC市場に関する調査によると2020年度は前年度比2・7倍の約40・8億円となっており、市場の大きさ、関心の高さが分かります。

 特にスマートフォンのアプリを中心に金融機関での口座開設やそれをつなぐ企業や個人との間でサービスの拡充が行われています。また、政府はマイナンバーカードの普及とともにマイナンバーカードを利用したeKYCの利活用についても推進しています。eKYCが進むことで今まで対面で行っていた事務やサービスがDXとなり、これから県内金融機関だけなく、行政や自治体も連携した新たなビジネスシーンへとつながっていくでしょう。

(沖縄銀行システム部調査役 赤堂竜希)