上司とのコミュニケーションがうまくいきません<沖縄お仕事相談デスク>


この記事を書いた人 アバター画像 田吹 遥子

今回のお悩み

上司とのコミュニケーションがうまくいきません。

自分なりに頑張っているつもりですが、言いたいことがうまく伝わりません。(30代会社員)

 

今回の回答者は…

組織づくりならお任せ!

Cosmic Consulting代表で組織コンサルタントの

波上こずみさんです。

 

直属の上司とのコミュニケーションに悩む、30代会社員の方からのご相談です。

仕事を行っていく中で上司とのコミュニケーションは欠かせませんが、「上司にうまく説明できない」「上司との会話が苦手」という悩みを抱えている方は多いのではないかと思います。

今回は、上司と上手にコミュニケーションを図るためのコツをお伝えします。

 

 

(1)上司の視点に立つ

上司とのコミュニケーションを円滑にするために、何よりも考えてほしいのが自分は上司と同じ視点で物事を捉えられているかということです。

部下として、与えられたことをしっかりやっていると思うと、つい上司に対して自分視点でコミュニケーションを取ってしまいます。自分が頑張っていることを伝えたいという気持ちはよく理解できます。

しかし、上司は何を必要としているのか、なぜその指示を出すのか、上司の求めているものは何か、といった上司の立場になって考えてみると、コミュニケーションの取り方が変わってきます。

仕事を任された時、トラブルを報告するとき、自分が上司ならどうするか、部下にどうしてほしいかという視点で考えてみましょう。

例えば

「社内の人材育成について考えてみて」

と上司から指示を出されたとします。

指示の表面だけ受け取って、すぐに人材育成について考えるのではなく、その指示の意図は何なのかを探ってみるのです。

・会社や上司は社内の人材育成にどのような問題意識を持っているのか

・どのような経緯でこの指示が出てきたのか

・どういう人材を育てたいと思っているのか

以上の切り口から、上司の視点に立ってみると、何を求めているのか把握できます。上司が求めているものが分かってくると、結果的に上司とのコミュニケーションに対するハードルが下がります。

 

  (2)こまめに報告をする

「あの仕事どうなってる?」と上司から業務進捗の確認をされたことはありませんか。

部下としては、「ちゃんとやっているんだから任せてほしい」と思うかもしれません。

ここでのポイントは、部下の仕事の責任は上司にあるということです。

上司は、チームの業務全体を把握しながら、チームとして最大の成果を出すことを目指しています。チーム内のあらゆる業務がどれだけ進んでいるのか、滞っていたり、リスクになりそうなことがないかというように、上司が考えたり対応したりすることは想像以上に多いのです。

そのために、部下としてはできるだけこまめに進捗を報告することが必要になってきます。

何か問題が起きた後で上司とコミュニケーションを図ろうとすると、ハードルが上がってしまいます。問題を防ぐためにも、自分の抱えている業務の進捗を平常時にこまめに報告することが大事です。

これを習慣化するだけでも、上司とのコミュニケーションが円滑になります。

 

(3)事実と解釈に分けて報告をする

報告する際に気をつけてほしいのが、その仕方です。

相手に対して、「自分の気持ちを分かってほしい」と思えば思うほど、人の会話の中には、解釈が入ります。

 

例えば、部下からのこのような報告を受けた上司は、どう思うでしょうか。

 「取引先からの連絡が全然ありません。以前のやり取りで不満を持っていると思います。せっかく先方の希望を反映させて提案書を作成したのに、提案内容に対しても何の反応もないので、きっとこの件についてはダメだと思います」

上司としては、まず何が起こっているのかという「事実」を先に知りたいものです。この事例の報告だと、一体何が起こっているのかが明確ではなく、部下が何をもってダメだと判断しているのかが曖昧なため、その後の対応について判断ができません。

 

 「(事実)以前のやり取りから〇〇日経過しましたが、取引先からの連絡がありません。提案内容についても反応がありません。

(解釈)私の考えとしては、先日のやり取りの内容で不満を感じられたのではないかと思います。提案内容についても反応がないことを見ると、この件に関しては、恐らく可能性が低いのではないかと感じています。」

 例えばこのように、上司に報告する際は、事実と解釈を分けて話すことがポイントです。整理されて報告を受けると、上司にとってもその後の対応がスムーズになります。このように報告の仕方を工夫することで、上司とのコミュニケーションが楽になるでしょう。

 

(4)まとめ

上司の視点に立ってみること、そして事実と解釈に分けて、こまめに報告をすること

 このポイントを押さえて、習慣化してみると、上司とのコミュニケーションが楽に取れるようになります。

 ぜひ実践してみてください。

◇執筆者プロフィル

波上こずみ(なみのうえ・こずみ)
Cosmic Consulting(コズミックコンサルティング)代表。組織コンサルタント

子育て・介護と仕事との両立に苦しんだ経験を踏まえ、2016年に起業。

「働く人のモチベーションを組織の活力へ!」をテーマに、沖縄の企業や個人を対象としたコンサルティングを手掛けている。
那覇市首里生まれ。1男1女の2児の育児中。

 楽しく働くためのコツ、チームで成果を上げるためのポイントなどを綴ったnote→ https://note.com/cosmic56