31文字の宇宙…和歌に「沼った」大学生 競技かるた協会の立ち上げに奔走


この記事を書いた人 Avatar photo 田吹 遥子
沖縄県かるた協会初代会長になった屋嘉部方来さん=3日、那覇市の琉球新報

 和歌のとりこになった大学生が、県内の競技かるたを盛り上げようと奔走している。
 琉球大学2年の屋嘉部方来(みらい)さん(20)は2021年11月、県かるた協会の会長に就任。今年2月末には県内で初めて、同協会主催で初段を取得できる大会が開催された。

 都道府県規模のかるた協会は全国で唯一、沖縄だけ未設置だった。協会の設置で、これまでできなかった大会の開催が可能となった。段認定の大会は、審判員らの確保が十分にできないため他県に派遣を求めるなど課題は残るが、競技かるたの環境が整いつつある。屋嘉部さんは「全国に通用する選手が育ってほしい」と期待する。

 高校1年の時、かるた同好会を立ち上げた友人と教師に誘われ、軽い気持ちで始めた。すぐに“和歌の沼”にはまった。「千年の時を経ても、歌に詠まれた気持ちに共感できる。たった31文字なのに、歌の背景や複雑な気持ちを感じさせるなんてすごい」。

 将来の夢も、数学教師から国語教師に変更。成績は「最悪」だった国語が得意科目に変わり、琉大の教育学部国語専修に進学した。

 2月末に那覇市の県立武道館で開催した競技かるた初段認定沖縄大会では、15人が初段に認定。屋嘉部さんや協会のメンバーらが、審判員や読み手の派遣を他県の協会に求めるなど行動し、開催に至った。「子どもから大人まで一緒に楽しめることも魅力の一つ」。現在は毎週土曜午後1時から、那覇市の若狭公民館で練習会が開かれる。「健康づくりとしても、スポーツとしても楽しめる。ぜひ一度、触れてみてほしい」とアピールした。練習会への参加の問い合わせはuchina.karuta@gmail.comまで。県かるた協会のホームページは https://uchinakaruta.ti-da.net/ から。 (嘉数陽)


 

▼体操の村上茉愛さんが着物姿 「ちはやふる展」で披露