prime

千葉真一さんと沖縄 主演作から見る沖縄への視座 「沖縄やくざ」では三線、空手も


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
沖映研で配信された2016年の千葉真一インタビュー(沖縄映画研究会提供、撮影:當間早志)

沖縄映画研究会の第10回研究発表会が2月20日、那覇市ぶんかテンブス館3階会議室を会場にオンラインであった。アクション俳優として国際的に活躍し昨年8月に急逝した千葉真一さんを取り上げた。世良利和代表は「沖縄への視角 千葉真一主演作を手がかりとして」と題し、1960年代~80年代にかけて公開された沖縄関連の映画やドラマを発表。2016年に撮影された千葉さんのインタビュー動画を初上映した。

千葉さんはこれまで映画やテレビドラマなど計1500本以上の作品に出演した。世良代表は千葉さんが主演を務める沖縄の映画作品は、沖縄と本土の深い溝を描いてきたと指摘した。1976年に公開された「脱走遊戯」「沖縄やくざ戦争」などを紹介。「他の役者も沖縄のやくざを演じているが、千葉さんは別格。うちなーぐちも話し、三線にあわせて空手の演武もやって見せる、堂々たる主演作だ」と言及した。

研究発表会ではそのほか、台湾政治大学非常勤講師の李政亮さんによる発表や、千葉さんと映画監督の中島貞夫さんのインタビュー動画を公開。映画監督の當間早志さんと、NPO法人シネマラボ突貫小僧代表の平良竜次さん、世良代表が千葉さんの出演作や人柄を振り返った。平良さんは「千葉さんは演技や役作り、アクションで創意工夫をする方だった。役者だけでなく、作り手側の人でもあった」と語った。