MROで初、難関の一等航空整備士資格を取得 高良さん「後輩たちに立派な姿を」


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一等航空整備士の資格を取得したMRO Japan整備士の高良憲太郎さん=15日、那覇市大嶺の同社格納庫

 航空機の整備事業を手掛けるMRO Japan(那覇市)整備士の高良憲太郎さん(27)が今年1月、ボーイング737型機の一等航空整備士資格を取得した。15日、同社格納庫で認定式が開かれた。高良さんは「後輩たちに立派な姿を見せられるような整備士を目指す。今後は型式を増やしたい」と目標を語った。

 一等航空整備士は難関と言われる国家資格で、ANAグループからの出向社員を除くと同社初の取得となる。高良さんは沖縄市出身。普天間高校卒業後、岐阜県の中日本航空専門学校航空整備科で学んだ。

 高良さんは「朝早くから、整備後は夜遅くまで会社に残って歯を食いしばり勉強するという苦しい日々だったが、先輩や上司が声を掛けてくれて何とか乗り切れた」と話した。

 同社は2019年1月から那覇空港で事業開始し、社員は約350人まで増えた。正社員118人のうち約9割が県出身者と、地元人材の育成に力を入れている。

 また同日、県から国際物流拠点産業集積地域の特別事業認定証の交付を受けた。海外航空会社の機体整備を担うため、格納庫に隣接して設置する保税蔵置所で、機体部品などの外国貨物を自社で保管・管理できるようになる。

 機体のトラブルがあった場合に、部品を海外から輸入する手間が省け、迅速に対応できるメリットがある。安価で航空機整備事業を展開する海外地域との競争力向上につながる。県内で認定を受ける5社のうち、航空機整備業は初めてとなる。

 認定は2月24日付。認定により、所得控除の税制優遇も受けられる。県内で認定を受ける5社のうち、航空機整備業は初めてとなる。

 同社の中司直己社長は「非常に大きな一歩だ。事業がようやく軌道に乗ってきた。さらに世界との競争に向けて進んでいきたい」と話した。
 (中村優希)

※注:高良さんの「高」は旧字体