沖縄の地価2.0%上昇 9年連続、プラス幅2年ぶり拡大 コロナの影響緩和


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県内商業地の最高価格地点となった那覇市久茂地3丁目周辺=2021年

 国土交通省は22日、2022年1月1日現在の公示地価を発表した。県内は全用途の平均変動率が前年比0・8ポイント増のプラス2・0%となり、9年連続の上昇となった。上昇率は全都道府県で4位だった。用途別では住宅地、商業地、工業地ともに上昇で、前年比でプラス幅も拡大した。新型コロナウイルス感染症の影響による景況悪化で、前年調査は地価の伸びが大きく鈍化したものの、影響が緩和されたことでプラス幅が再び拡大している。

 調査は県内の都市計画区域21市町村192地点で実施した。

 住宅地の平均変動率は前年比1・0ポイント増のプラス2・0%、商業地は同0・5ポイント増のプラス0・7%、工業地は同1・2ポイント増のプラス18・2%だった。価格上昇は住宅地と商業地が9年連続、工業地は10年連続。

 前回調査と比較できる「継続地点」では、住宅地は全123地点のうち上昇103、横ばい19、下落1だった。商業地は全60地点のうち上昇30、横ばい22、下落8となった。

 工業地は全5地点で上昇し、糸満市西崎町のプラス28・4%は住宅地、商業地を含め全国で最も高い上昇率だった。

 県内の最高価格地点は、住宅地が那覇市おもろまち3丁目の1平方メートル当たり38万2千円(前年比横ばい)、商業地が那覇市久茂地3の1の1「日本生命那覇ビル」の同193万円(同マイナス1%)だった。

 県内の公示地価は20年まで4年連続で全国1位の上昇率だったが、21年以降はコロナ禍による入域観光客の減少などで、土地の収益性が悪化している。 (小波津智也)


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