日本トランスオーシャン航空(JTA、青木紀将社長)の樽見果奈(たるみ・かな)さん(24)が、JTAで7年ぶりとなる2人目で、現在では唯一の女性パイロットに就任した。3日から副操縦士として県内外路線を運航している。樽見さんは「責任の重さを感じている。私の飛行機であれば安心できると思ってもらえるパイロットになりたい」と話している。
樽見さんは大阪府出身で、2020年3月に崇城大学の航空操縦学専攻を卒業し、同年4月にJTAに入社した。21年1月から副操縦士昇格に向けて訓練を始め、10月にはボーイング737―800型機に乗務できる技能を習得した。
副操縦士は、飛行ルートの入力や管制官との通信などが主な仕事で、機長をサポートする役割を担う。
樽見さんは幼少期から飛行機をよく利用する両親と空港に行く機会が多く、航空業界に興味があった。小学生の頃は客室乗務員、中学生では整備士を目指していたが、高校生の時に「やっぱり飛行機を飛ばしたい」と思い、パイロットを目指すようになった。
JTAには11年に同社としては女性初の副操縦士が在籍していたが15年に退職した。現在は訓練生を含めて150人のパイロットが在籍しており、そのうち3人の女性訓練生がいる。JTAによると、国内では約2800人のパイロットがいるが、女性は2%の50~60人程度にとどまっているという。
樽見さんは「パイロットは男性の職業というイメージがあり、周りから『女性で大丈夫なの?』と言われることもあったが、なりたい意思があった。私も背中を追ってもらえるようなパイロットになりたい。安全に通常運航していきたい」と話した。樽見さんは今後、機長を目指す。 (中村優希)
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