21年度の県経済成長2.3% 民間消費や公共投資が増加 りゅうぎん研見込み


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 りゅうぎん総合研究所(伊東和美社長)は24日、新型コロナウイルス禍における県経済の2020~21年度実績見込みと、22年度の見通しに関するリポートを発表した。実質経済成長率について、20年度は前年比マイナス10.6%と1972年の日本復帰以降最大の落ち込みとなり、21年度は民間消費支出の持ち直しや公共投資の増加などでプラス2.3%になると分析した。22年度は入域観光客の回復などによりプラス2.6%と見通している。

 県内総生産で過半数を占める民間消費支出は、20年度は外食や宿泊需要が減少し前年比7.4%減となったが、21年度はコンビニでの売り上げや家電販売などの巣ごもり消費が下支えし同2.3%増を見込む。22年度はコロナ感染が沈静化するものの物価上昇などの影響で同1.4%増と伸びは鈍化する見通し。

 県外から得た所得を示す移輸出は、20年度が入域観光客数の大幅減で関連収入が落ち込んだ影響で前年比42.3%減と見込む。21年度は19年度の反動で観光客数が持ち直したものの、需要喚起策の停止で1人当たりの消費額が減り同1.0%増と見込む。22年度は入域客に加え1人当たり消費額の改善で同24.8%増と推計している。

 20年度の労働力人口は前年比でほぼ横ばいに推移するも就業者数の減少で、完全失業率が同0.8ポイント悪化の3.6%を見込む。21年度は完全失業率が同水準の3.7%を見込み、22年度も横ばいで推移するとみる。

 22年度の展望について、コロナの感染状況とウクライナ情勢が県経済のリスク要因と分析。調査したりゅうぎん総研の金城毅上席研究員は「両者が長期化するほど、県内景気の下振れ圧力は強くなる」と指摘した。
 (小波津智也)